職員インタビューINTERVIEW
INTERVIEW職員インタビュー
介護職員 / Hさん
2014年入社
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自己紹介をお願いします。現在の役割や担当業務について教えてください。
2014年、施設の開設と同時に新卒で入職し、ユニットでショートステイの介護業務を担当しています。入職当初は「3か月ももたない」と思っていました。
その理由は、初めての夜勤の日に利用者さんが亡くなり、何もできなかった自分の無力さに強いショックを受けたからです。
祖母の死を思い出し、「自分は死に向き合う介護には向いていない」と感じていましたが、仲間の励ましや支えのおかげで、「自分にもできることがあるのではないか」と考え直せました。悔しさや無念さはありましたが、その経験が成長のきっかけになりました。
仲間と支え合いながら、少しずつ自分の役割を見つけ、利用者さんに寄り添うことの大切さを学び続けています。 -
この施設で働くことを選んだ理由は何ですか?
美術系大学を卒業する時点では介護の仕事は特に目指していた分野でもなかったため、これだけ長くこの仕事が続けられるとは思っていませんでした。
大学卒業時には地元に帰省する話もあった中で宙ぶらりん、ふわふわとした状態でこの施設での仕事に就きました。
今まで何度も、自分の中で「仕事をやめようか」というタイミング・区切りがありましたが続いてきたのは、守らなければならない、責任感のようなものが徐々に生まれてきたからかもしれません。この施設で10年も仕事が続いたのは仕事を続けようという思いからではなく、祖母の死に向き合ったリアリティショックの経験が要素としてあったのかもしれないと思っています。
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働き始めてから、印象に残っているエピソードを教えてください。
最初、介護拒否のある利用者さんが施設利用され、当初は表情も硬い方も多いですが、利用回数を重ねていく中で徐々に私がお話した内容とかで笑っていただけたりしたり、日常会話のキャッチボールができるようになり、お互いに打ち解けていくなかで信頼関係が生まれてくる瞬間がうれしいです。
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職場の雰囲気はどうですか?同僚や上司との関係について教えてください。
職員からいろいろな意見が出てきて、意見の衝突もありますが、リーダーがティーチングに長けていて職員の意見を受け入れ、間違っていることは違うと伝えてくれます。
意見はたくさん出てきますが職員それぞれが利用者さん目線で真剣に考えた結果ですし、意見はするが、意見がまとまればひとつになっていくいい関係です。 -
この施設で働いて良かったと思う点は何ですか?
利用者お一人おひとりの人生があることを知ることができて、最後のお手伝いをさせてもらっている印象があります。
その最後のときに普通に関われていること、ショートステイユニットではほとんど死に向き合うことはありませんが、隣接の特養ユニットで、利用者が亡くなる瞬間、看取りとかもあるので、そういう命の大切さとかどうとかを実感することができています。仕事とプライベートは分けています。
休みの日には絵を描いたり、外出しています。以前は油絵を描いていましたが、もう家の中がすごい油の匂いがするのでやめていました。
この施設で働きはじめてからは、絵を画用紙に描くようになりました。 -
日々の業務で大切にしていること、心がけていることは何ですか?
ショートステイの利用者は初めてお会いする方がほとんどなので、利用開始になってから夕方まで様子を観察して、どのような方なのかを理解するようにしています。
特にADL状態を把握することにこころがけていること、またご本人の好み、苦手なものを理解することが大事だと思っています。
またご自身で歩かれる方も多いですが、ふらつきのある方が多いので、とにかく走り回っています。
仕事へのこだわりは、利用者さんにはやわらかく接することです。初めて利用される方は緊張されていることが多いので、とにかくやさしい声かけ、私は仲間ですよっていう雰囲気を前面に出すようにしています。また不安を感じられないようにも接するようにしています。
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この施設でのキャリア形成について、どのように考えていますか?
この施設で10年勤務して、自身の成長を実感しています。
以前ははじめての利用者が多いこともあって介護事故も少なくありませんでしたが、今は事前対応・予防的対応ができているので介護事故は起こっていません。
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介護施設で仕事を通じて、どのようなやりがいや使命感を感じていますか?
利用者さんが主体であり、ショートステイでは職員は利用者さんができないことをサポートするイメージが強いし、ご本人が安心して穏やかに生活ができるように配慮しています。
でもこれがいちばん難しいことです。利用者さんは不安を感じられることも多く、自宅に帰りたいとおっしゃる方も多いので、いかに穏やかに過ごしていただくかがポイントだと思い業務に臨んでいます。
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これからこの施設で働こうとしている方にメッセージをお願いします。
まったくの介護未経験で10年仕事を務めることができたのは、私の祖父や祖母とのかかわりの思い出があったためです。
祖父や祖母に話かけるようにやさしい声かけを心がけていけば、利用者さんも必ず心を開いていただけます。やさしく接していただきたいです。